昨日25日、石原慎太郎東京都知事は都庁で緊急記者会見を開き、辞任を表明しました。  近々、新党を立ち上げて、その代表に就任し、次の衆院選に候補者を数十名規模で出すという構想のようです。  新党の政策については、それがト

10/26 石原新党の結成をどう見るか

 昨日25日、石原慎太郎東京都知事は都庁で緊急記者会見を開き、辞任を表明しました。

 近々、新党を立ち上げて、その代表に就任し、次の衆院選に候補者を数十名規模で出すという構想のようです。

 新党の政策については、それがトータルでどのようなものになるのか、まだ明確ではないので、現時点ではっきりとした論評はできません。ただ、昨日の会見で石原氏が言及した具体的項目の多くは、国の会計制度や東京都の「認証保育所」整備、横田基地の軍民共用化など、それぞれ大事な論点ではあるものの、「やや細かい」という印象を受けました。もちろん、都知事を辞任して国政へという決断を下した動機を、中央官僚が地方の仕事を邪魔しているのをやめさせて国を良くしたい、という文脈から語っているので、政策の話の多くが地方行政レベルにつながる個別具体的なものになったのはもっともなことかと思います。

 しかし、今の日本の置かれた状況へのマクロ的な認識と、そこで求められるビジョンや政策という観点があまり見えて来なかったのが気になりました(自主憲法制定は一定の評価ができますが)。しかも、幕末から明治維新への動きになぞらえて、官僚による中央集権を削除すべしというのは、歴史的事実とは逆ではないでしょうか。周知の通り、欧米列強による侵略の危機を乗り越えるため、徳川幕藩体制という一種の地方分権制から強力な政府による中央集権体制へと移行を果たしたのが、明治維新だったはずです。

 地方の事情に合わせた行政をやりやすくしたり、地方の自主性をうまく引き出すための権限移譲や規制緩和の必要性は認めますが、一方で現在の日本は中国による侵略の危機に直面しており、国家の一体性を解体する方向での地方分権の推進は採るべき方策ではあり得ません。石原新党は、道州制推進を掲げる日本維新の会との連携を打ち出しているだけに、この点、注意を要します。

 政局的な観点からは、衆院の解散総選挙の可能性が高まったと見ることができます。仮に民主党から石原新党への離党者が10名程度出れば、与党は過半数割れとなり、全ての野党が連携すれば内閣不信任案が可決されることになります。日本維新の会は最近、人気が失速気味だったので、離党を考えている議員にとってタイミングよく新しい受け皿が現れた形です。議員数に応じて金額が決まる政党助成金の基準日が1月1日なので、これから年末にかけて水面下での引き抜き工作が本格化するでしょう。

 石原氏が次の総理大臣になる可能性については、もちろん総選挙後の勢力分布の状況によりますが、それ程高くはないと思います。確かに、自民党が第一党となっても過半数確保には程遠い場合、石原新党や日本維新の会と連立することになり、その際の交渉の成り行きによっては、石原氏が総理の座を獲得するというシナリオも考えられなくはありません。しかし、既に自民党だけでなく日本維新の会とも連携している公明党が、その連立政権に加わる蓋然性は極めて高く、親中・平和主義路線の同党が「石原総理」を飲む可能性は相当程度低いと見られます。石原氏の落ち着きどころとしては、もっとも良くて副総理格ぐらいのポストではないでしょうか。

 幸福実現党も、次の総選挙に向けてしっかり準備をしてまいりたいと思います。

立木 秀学
(ついきしゅうがく)
東京大学 法学部 第3類(政治コース)卒業後、幸福の科学入局。財務局長、専務理事などを歴任し、幸福実現党に入党。2010年7月から2012年12月まで幸福実現党党首を務める。
現在、HS政経塾塾長。
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