最近、民主党元代表の小沢一郎氏をめぐっては、「週刊文春」6月21日号の「小沢一郎 妻からの『離縁状』」と題する記事で、和子夫人から離婚されたことがスクープされています。  小沢氏としては、民主党内で反増税の旗を掲げて野

6/17 小沢一郎氏に勧める本―『誤解だらけの放射能ニュース』

 最近、民主党元代表の小沢一郎氏をめぐっては、「週刊文春」6月21日号の「小沢一郎 妻からの『離縁状』」と題する記事で、和子夫人から離婚されたことがスクープされています。

 小沢氏としては、民主党内で反増税の旗を掲げて野田首相ら増税推進派とチキンレースに突入しようとしている、まさにこのタイミングで足元をつき崩すようなマスコミからの“攻撃”を受け、内心かなり狼狽していることでしょう。幸福実現党として小沢氏を応援したり、支持するということはあり得ませんが、現在、氏が主張している「消費増税反対」自体は正しいことですので、この点に関しては周囲の批判に怯むことなく、民主党内を存分に掻き回し、増税法案を葬り去ってほしいものだと思います。

 さて、文春の記事においては、夫人の手になる支援者宛の手紙が公開されており、そこでは福島原発の事故を受け放射能に怯えて迷走する小沢氏と秘書らの様子が描かれています。例えば、事故後の3月16日朝には秘書の一人が夫人のもとにやって来て、「内々の放射能の情報を得たので、先生の命令で秘書達を逃しました。(中略)先生も逃げますので、奥さんも息子さん達もどこか逃げる所を考え下さい」と発言。また、3月15日に国会議員らが岩手県庁を訪ね、知事と会談した際には、小沢氏も一緒に県庁訪問をと誘われたものの、氏は表向きは党員資格停止処分を理由として、実際には放射能が怖くて誘いを断ったとされています。

 現時点でも野田首相の進める大飯原発再稼動について小沢氏は反対姿勢を示しており、いまだ放射能への過剰な恐怖心を抱いているであろうことが推測されます。

 そんな小沢氏に勧めたい本が『誤解だらけの放射能ニュース』(小島正美著、エネルギーフォーラム刊)です。

 毎日新聞の編集委員である著者の小島氏はマスコミ人としての経験から、ニュースの大きさや注目度は、「特異的な現象」×「物語」×「アクション」で決まるとし、「この方程式を知っていないと、放射能のリスク報道にだまされてしまう」と述べています。「『何かが危ない』というニュースの場合には、勇気と正義感に燃えた『少数派の学者』(特異的な現象にあたる)が、権威の象徴である政府に立ち向かう形で『情熱的なストーリー』を語りながら、『アクション』を起こすと、それはビッグニュースになりやすい」。その具体例として、国会の証言で除染の必要性を訴え、『内部被曝の真実』という本を著して世間の耳目を集めた児玉龍彦・東大教授が挙げられています。

 除染の大切さをいち早く主張した児玉氏をマスコミが持ち上げるのはもっともなことながら、小島氏によれば、児玉氏の所説には他の多くの専門家から数々の疑問が付されています。児玉氏は著書で「チェルノブイリ原発事故では、尿中に6ベクレルのセシウムが含まれている状態が15年続く集団では、膀胱がんが増えている」というふうに述べていますが、これに対する専門家の反論の一つを小島氏は「6ベクレル程度の被ばくなら、バナナ、リンゴ、海藻など通常の食事から取っている放射性カリウム(カリウム40)の方が、被ばく量が約20倍も高いということだ。セシウムの6ベクレルで膀胱がんになるなら、もっと多くの人に膀胱がんが多発していないとおかしい」とまとめてくれています。

 また、小島氏はマスコミ報道の事例として、東京新聞の報道姿勢を挙げています。「2011年6月16日の朝刊で福島県郡山市で開かれた医師による無料問診会を取り上げていた。そこに来た母親たちは『息子が鼻血を出した』と訴える。そのほか、下痢、微熱、頭痛、けん怠感、アレルギーの悪化などの症状があったと報じていた。(中略)鼻血などの症状と放射能に因果関係があるかどうかは分からないと言いつつ、あたかも放射能でいろいろな症状が起きているかのような印象を与える内容の記事だ」。そして、「ここで知っておくべきことは、こういう特異的なニュースを通じて、不安や恐怖を広めても、報道機関が責められることはないということだ。なぜなら、『そういう症状を訴えている親や子供がいるのは事実なので、その事実をただ報じているだけだ』という言い訳が成り立つからだ。(中略)こういう報道に対しては、読者が賢くなるしかないのだ」。

 こうした小島氏の指摘は誠にもっともと頷かざるを得ません。原発事故より1年以上経ちますが、この間、上述の東京新聞記事のような報道は新聞、週刊誌、テレビ等で幾度と無く繰り返されてきました。その結果、「放射性物質を伴う原子力発電はとにかく危険」というイメージが世に広がって必要以上に恐怖心が高まってしまい、事故後に施された対策によって原発の安全性は震災前より十分高まっており、客観的に見て原発再稼動が必要な情勢であるにもかかわらず、多くの人々が再稼動に反対するような状況に陥っています。

 仮にこの本に書かれているような情報や知識を予め持っていれば、小沢氏も震災直後に夫人から愛想を尽かされるような失態を演じることはなかったでありましょう。もっとも、本書は今年に入って発刊されたものですので、実際には原発や放射能について必要な情報を予め知っておくということは極めて難しいことだったとは思います。ただ、今後に関しては、政府の進める原発再稼動に自らの無知ゆえに反対して、国民に迷惑をかけることのないよう願いたいものですし、そのためにも本書は小沢氏やその他の国会議員の皆さんにも是非、読んでおいてほしい書物です。

立木 秀学
(ついきしゅうがく)
東京大学 法学部 第3類(政治コース)卒業後、幸福の科学入局。財務局長、専務理事などを歴任し、幸福実現党に入党。2010年7月から2012年12月まで幸福実現党党首を務める。
現在、HS政経塾塾長。
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