昨日9月7日の日銀金融政策決定会合は、現状維持を決定しました。足元の経済情勢は、ドル円相場が70円台という過去最高のレンジで推移し、日経平均株価も6日には年初来安値を更新。海外では、欧州で債務問題を巡る混乱が続き、米経済

9/8 いつも後手に回る日銀

昨日9月7日の日銀金融政策決定会合は、現状維持を決定しました。

足元の経済情勢は、ドル円相場が70円台という過去最高のレンジで推移し、日経平均株価も6日には年初来安値を更新。海外では、欧州で債務問題を巡る混乱が続き、米経済は二番底が懸念され、米連邦準備制度理事会(FRB)にはさらなる金融緩和の圧力がかかっています。9月20~21日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)では、何らかの追加金融緩和策が打ち出されるのはほぼ確実で、これによりドル安円高がいっそう進むことが予想されます。

にもかかわらず、「為替や株式相場が落ち着いていることもあり、日銀内では『米国の次の一手を見極めたい』との意見も少なくなかった」(9/8付日経新聞)のだそうです。日本のお役所らしい、様子見の姿勢です。

おそらく次回10月6~7日の金融政策決定会合で、日銀は「円高が大変だ」という声を受けて、遅まきながらまた小出しの緩和策を決定するのでしょう。

日銀は「フォワード・ルッキングな政策」というのであれば、経済情勢はもちろん、マーケットや主要国中央銀行の動向なども先読みした上で、先手を打つ対応をしたらどうかと言いたくなります。

そもそも、これまでの日銀の金融緩和は不十分です。

9/8付日経新聞によると、白川総裁は日銀の資金供給量(マネタリーベース)は国内総生産(GDP)比で24.6%と、FRBの17.4%や欧州中央銀行(ECB)の11.5%を上回っていると反論したそうです。

しかし、7日に発表した「当面の金融政策運営について」では、「消費者物価の前年比は、当面、ゼロ%近傍で推移するとみられる」と、本格的なデフレ脱却からは程遠い見通しを示しており、これではマネタリーベースのGDP比が高いといっても意味がありません。

「結果が出ないけど頑張っている」というだけでは、民間の世界では通用しません。しかも、日銀は結果を出すための方法(長期国債の積極的な買い入れや国債の直接引き受け)を持っていながら、それをまだ十分に行っていないのです。

日銀は、量的緩和に資する国債の買い入れや引き受けを、大胆に大規模に行うべきです。

8月5日に決定した金融緩和策でも、「資産買入等の基金」の増額は総額10兆円ですが、3ヶ月や6ヶ月で返済しないといけない資金供給オペレーションの増額5兆円を除けば、本当の資産買入れの増額は5兆円でしかありません。日本の足元のデフレギャップは20兆円、米FRBが昨秋から今年前半にかけて行ったQE2での国債買い入れ額は50兆円規模。こうした数字と比較すると、日銀の政策はどうしようもなく小出しであるという感が否めません。

現在、政府・民主党は、復興増税に向けての検討を進めていますが、必要と想定されている財源13兆円分の国債は、すべて日銀が引き受けるべきです。増税を回避して国民に負担をかけることなく復興事業が進み、通貨供給量も増えるので、デフレ脱却や急激な円高の抑止にもつながります。

一石三鳥の効果が期待できる国債の日銀引き受けを行わず、逆に景気に水をさす増税を行うようでは、政府・与党、そして日銀は、もはや頭はあって無きが如しと言わざるを得ないでしょう。

今の日本経済に必要なのは、人々が景気拡大を実感できる所得の名目値での拡大であり、それはマイルドなインフレの中で可能となります。経済をインフレに持ってかなくてはならない時に、中央銀行がインフレを恐れていたのでは話になりません。白川総裁以下、日銀関係者には、これまでとは逆の発想が求められているのです。

立木 秀学
(ついきしゅうがく)
東京大学 法学部 第3類(政治コース)卒業後、幸福の科学入局。財務局長、専務理事などを歴任し、幸福実現党に入党。2010年7月から2012年12月まで幸福実現党党首を務める。
現在、HS政経塾塾長。
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