中日新聞、東京新聞がアニメ映画監督の宮崎駿氏を持ち上げて、憲法改正反対を謳っています。  宮崎氏らの運営するスタジオジブリ発行のミニコミ誌「熱風」が、7月号で憲法改正を特集し、同氏の「憲法を変えるなどもってのほか」と題

7/19 追い詰められる中日・東京新聞~宮崎駿氏のお粗末な護憲平和論~

 中日新聞、東京新聞がアニメ映画監督の宮崎駿氏を持ち上げて、憲法改正反対を謳っています。

 宮崎氏らの運営するスタジオジブリ発行のミニコミ誌「熱風」が、7月号で憲法改正を特集し、同氏の「憲法を変えるなどもってのほか」と題する論考を掲載。反響が大きいので、約1ヶ月間、ホームページから特集記事を特別にダウンロードできるようにすると、ジブリが18日にリリースし、これを中日新聞、東京新聞が19日付朝刊1面で大きく取り上げています。

 ジブリのアニメ映画最新作「風立ちぬ」は20日からの公開で、翌21日が参院選投票日ですから、このタイミングでのリリース、そして新聞紙上でのパブリシティという流れは、当然のことながら、映画興行とからめて選挙に影響を与える目的で行われていると見られます。

 しかしながら、肝心の宮崎氏らの議論は、それぞれの戦争体験談として尊重されるべき面もありますが、改憲反対の論証としてはお粗末というほかなく、「日本さえ軍隊を持たなければ平和がもたらされる」という、旧来の空想的平和主義の範疇から一歩も出ていません。

 宮崎氏の論考にはいくつもの問題点が見受けられますが、以下では特に憲法9条や外交安保にからむところを指摘したいと思います。

 まず、9条をめぐって宮崎氏は、

 もちろん、憲法9条と照らし合わせると、自衛隊はいかにもおかしい。おかしいけれど、そのほうがいい。国防軍にしないほうがいい。職業軍人なんて役人の大軍で本当にくだらなくなるんだから。(下線筆者)

 と述べていますが、特に下線箇所は職業軍人、あるいは軍隊への蔑視発言として問題にされるべきでしょう。Twitterでもつぶやきましたが、日米同盟に基づき日本防衛の任にも当たっている在日米軍が「くだらない」存在と言っているわけです。

 あるいは、他国の軍人・軍隊はくだらなくはないが、日本の自衛隊だけが国防軍になると「くだらなくなる」というのであれば、その根拠を明示すべきです。

 先の大戦で日本軍が「ひどいことをしたから」というのかもしれませんが、かつてファシズム国家とされたドイツやイタリアですら戦後も軍隊を保持しています。日本だけを劣等視する根拠は一体何なのでしょうか?

 また、宮崎氏は、

 もし本当に戦火が起こるようなことがあったら、ちゃんとその時に考えて、憲法条項を変えるか変えないかはわからないけれど、とにかく自衛のために活動しようということにすればいいんです。立ち上がりは絶対遅れるけれど、自分からは手を出さない、過剰に守らない。」

 としています。戦火が起こり、立ち上がりが遅れれば、それだけ多くの国民が命を失うことに頭が回らないようです。武力による恫喝や戦争を吹っ掛けられてから「憲法条項を変えるか変えないか」を議論していたのではもはや手遅れであることは、イデオロギー的偏向を排して考えれば、あまりにも自明です。

 9条を改正せず、国防を強化せず、そこへ突如戦争が起こったら、「とにかく自衛のために活動しようということにすればいい」というのは、相手国の強大な軍隊に対しては、相対的に貧弱な自衛隊に加えて、国民が各自竹槍を持って立ち上がればよいとでも考えているのでしょうか。無責任な議論の極みと言えます。

 さらに慰安婦や領土の問題に関しては、

 慰安婦の問題も、それぞれの民族の誇りの問題だから、きちんと謝罪してちゃんと賠償すべきです。領土問題は、半分に分けるか、あるいは『両方で管理しましょう』という提案をする。」

 と言い放っていますが、お人好しに過ぎる提案です。

 慰安婦問題については、日本政府はこれまで「河野談話」で事実上の謝罪をし、解決済みの日韓請求権問題に抵触する法的賠償とならないよう、募金などによる「アジア女性基金」からの償い金という形で事実上の賠償も行っています。にもかかわらず、韓国側は一向に納得せず、近時この問題をエスカレートさせているのです。

 歴史的事実に即して言えば、日本軍が強制的に慰安婦を拉致して「性奴隷」に仕立て上げたという話は、風説にしか過ぎません。慰安婦は業者によって募集され、営業のため軍隊に付いて行ったというのが真相です。これ自体、当時としては違法性はなく、そもそも謝罪や賠償を云々する問題ではないのです(業者によってひどい目に遭ったのなら、日本政府でなく業者を責めるべきです)。

 領土問題については、「半分に分ける」とか共同管理などと言って譲歩すれば、相手はさらにエスカレートしてくるでしょう。既に中国は「沖縄をよこせ」と言い始めていますし、韓国も「対馬をよこせ」と言ってきかねません。

 韓国最大手の新聞「朝鮮日報」は最近、「日本が『正常な国家』になるには」と題する論説を掲載し、その中で「現在の日本列島の一部を戦争犯罪の代価として、過去に被害を与えた国に割譲すると宣言することだ」と論じています。

 つまり、例えば九州や四国を、韓国や中国に割譲せよと言っているのです。

 このように、我が国の領土を隙あらば奪ってやろうと考えている相手に、一方的な譲歩を行うのは百害あって一利なしであり、全く考えられない話です。

 そして、宮崎氏は中国の覇権拡大の動きについては、

 かつて日本が膨張したように、膨張する国もあります。でも、その度に戦争をするわけにはいかない。そんなことよりも、今は、日本の産業構造を変えていこうというまじめな取り組みをすべきだと本当に思いますよ。」

 と論じています。これでは要するに、中国が侵略してきても戦争するわけにはかないから、黙って降伏せよということです。国を失いながら、産業構造を変えたところで仕方ないのではないかと思いますが、宮崎氏はそうでもないようです。

 中国が膨張しているのは中国の内発的な問題です。そして、中国内の矛盾は今や世界の矛盾ですから、ただ軍備を増強したり、国防軍にすればけりがつくなんていう問題じゃないと僕は思います。」

 中国内の矛盾は今や世界の矛盾だから、日本が中国の侵略を抑止するため国防を強化しても、「けりがつく問題ではない」という言い方をしていますが、ここは論理がはっきりしておらず、考えが未成熟のように思われます。

 ともあれ、国防を強化せず、単に産業構造を変えることに専念していれば、それこそやすやすと我が国は中国に侵略されてしまいます。結論的には、宮崎氏は日本の中国による属国化を積極的に期待しているか、あるいは消極的にでも受容していると見るべきでしょう。

 以上、宮崎氏の所論の問題箇所をいくつか挙げてきましたが、なんとも粗雑な議論と言わざるを得ません。アニメ映画の監督としては超一流でも、リアルな政治には口出しすべきでないレベルにあることは明らかです。

 このようなレベルの人を護憲派のシンボルとして持ち出さざるをえない中日新聞、東京新聞は、改憲を打ち出している安倍自民党の参院選での大勝予測を前にして、それだけ追い詰められていると見ることができるでしょう。

 とは言え、その安倍自民であっても、選挙後スムーズに9条改正まで実現できるかどうかは不透明です。連立相手の公明党は9条改正に否定的ですし、既に歴史観の問題では、日本が悪しき侵略国家だったとする村山談話を受け継ぐという立場にまで追い込まれています。

 だから21日投開票の参院選では、幸福実現党、並びにその候補者に皆様の清き一票を賜りたいと存じます。

 歴史観の問題でもブレることなく、言うべきことを言い、主張すべきことを主張し、その信念をもとに憲法改正を推進することができるのは、いまや幸福実現党のみなのです。

立木 秀学
(ついきしゅうがく)
東京大学 法学部 第3類(政治コース)卒業後、幸福の科学入局。財務局長、専務理事などを歴任し、幸福実現党に入党。2010年7月から2012年12月まで幸福実現党党首を務める。
現在、HS政経塾塾長。
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