総理の器でない橋下氏と、性奴隷批判を支持する自虐マスコミと  先月13日に大阪市の橋下徹市長が戦時中の慰安婦を「必要」と発言し、沖縄の在日米軍司令官に性犯罪防止のため風俗業の活用を勧めたと明かしたところ、不適切発言として

6/8 日本への性奴隷(慰安婦)批判を迎え撃つには

総理の器でない橋下氏と、性奴隷批判を支持する自虐マスコミと

 先月13日に大阪市の橋下徹市長が戦時中の慰安婦を「必要」と発言し、沖縄の在日米軍司令官に性犯罪防止のため風俗業の活用を勧めたと明かしたところ、不適切発言として国内メディアによって集中砲火を浴び、米国を初めとする海外の外交筋からも強烈な反発を引き起こしました。

 その後、橋下氏はメディアが自らの意図を正しく伝えていないとして、27日に東京の日本外国特派員協会で記者会見を開き、在日米軍への風俗業活用発言を撤回、慰安婦は「戦時においては」「世界各国の軍が」必要としていたのではないかという主旨での発言だったと釈明しました。

 日本とは「風俗」認識が異なる米国の軍人を相手に、性犯罪防止という狙いはあったにせよ、風俗業の活用を勧めたのは軽率の誹りを免れません。これまで近い将来の首相候補として取り沙汰されることのあった橋下氏ですが、外交面での見識が十分でなく、総理の器ではないことが今回の発言で図らずも露呈しました。

 また、慰安婦の問題についても、売買春をそのまま容認しているかのような表現で説明してしまったのは、橋下氏の手落ちと言うべきです(但し、本人はメディアによる「誤報」と主張)。各方面から反発と批判が相次いだのは避けられないことでした。

 しかし、13日の橋下発言のうち、「なぜ日本の慰安婦問題だけが世界的に取り上げられるのか。日本は『レイプ国家』だと、国をあげて強制的に慰安婦を拉致し、職業に就かせたと世界は非難している。その点についてはやっぱり、違うところは違うと言わないといけない」という箇所は、正しい内容です。

 あるいは、「日本国が、韓国とかいろんなところの宣伝の効果があって、レイプ国家だと見られてしまっている。ここが一番問題。証拠が出てくれば認めなきゃいけないが、今のところ2007年の(第1次安倍内閣の)閣議決定ではそういう証拠がないとなっている。そこはしっかり言っていかなきゃいけない」という部分も、まったくその通りです。

 第二次大戦当時、慰安所は日本軍だけでなくドイツ軍にもありました。終戦後は日本に米兵向けの慰安所が直ちに設置され、ピーク時には全国で7万人の女性が集められました。募集にあたっては、朝日新聞(!)などに「急告 特別女子従業員募集 衣食住及高給支給、前借にも応ず」といった広告が掲載されたそうです。

 さらには、朝鮮戦争時やベトナム戦争時にも軍隊の駐屯地周辺には慰安所が設けられ、多数の米兵や韓国兵が利用していたことが明らかになっています。

 にもかかわらず、日本軍の慰安婦問題だけが取り上げられ、しかも女性を強制的に連行し、「性奴隷」として酷使したという非難が国際的になされているのです。

 韓国では2011年12月、日本大使館の目の前に慰安婦記念像が建てられたことはよく知られていますが、米国では昨年10月、ニューヨークのタイムズスクエアに、慰安婦問題をナチス・ドイツのユダヤ人大虐殺になぞらえて日本に謝罪を求める看板広告が設置されました。

 さらに今年に入ってからは、米国で、日本軍による「性奴隷」を非難する議会決議や記念碑建立が相次いでいます。1月にはニューヨーク州上院で決議、3月にはニュージャージー州下院で決議があり、同州バーゲン郡で慰安婦記念碑が除幕、5月にはニューヨーク州下院で決議がなされました。

 そして直近では5月31日、国連の拷問禁止委員会が今回の橋下発言を念頭に、日本の政府、自治体の高官や政治家が相変わらず、第二次大戦中の日本軍による「性奴隷」慣行の事実を否定し、被害者を精神的に傷つけていると非難。

 日本政府に対して、性奴隷犯罪に対する法的責任を公式に認め、加害者を適切に処罰すること、事実を否定し被害者を再び傷つけようとする政府当局者や著名人に反論すること、被害者に最大限の実効性ある補償を行うこと、慰安婦問題について一般市民を教育し、全ての歴史教科書に掲載することなどを勧告しています。

 しかし、そもそも慰安婦だったと名乗りを上げる韓国人女性の証言は、時によって内容が食い違うなど信憑性が低いため、強制連行があった証拠としては認めがたいものですし、日本軍が慰安婦にするため女性を強制連行したことを示す当時の記録も発見されていません。

 かつて波紋を呼んだ、自分は強制連行に従事したという日本人の告白は捏造であったことが明らかになっており、逆に戦時中、ソウルの新聞には高額報酬を約した業者による慰安婦募集広告がいくつも出ていたという事実が確認されています。

 また、韓国人の元慰安婦が、当時の軍事郵便貯金の払い戻しを日本の郵便局に請求したので、郵便局が過去の記録を調べたところ、その頃の東京で家が5軒買える程の金額に上ったということもありました。

 「奴隷」というのはそもそも財産を持つことが許されない立場なのですから、家を5軒も買える資産を作った人を奴隷と呼ぶのはおかしな話です。

 慰安婦は強制的に連行されたものではなく、奴隷であったわけでもないという事実は、国内的には専門家の調査や議論を通じて明確になっていますが、国際的にまだ十分に認知されていません。というより、根拠のはっきりしない「性奴隷」プロパガンダが韓国人(あるいは韓国系移民)や反日的日本人によって米国などの海外で拡散・増幅されているというのが現実です。

 このような国際的な状況を踏まえれば、橋下発言はその不適切な部分は批判を受けて当然ではあっても、妥当性のある部分まで問答無用で否定するようなマスコミの報道姿勢は、我が国を不当に貶める「性奴隷」プロパガンダを結論において支持するものであり、国益を損なっていると言わざるを得ません。

 「性奴隷の事実を否定し反省しない邪悪な日本」という誤った評価やイメージが世界に流布され、我が国に対する、上記の国連拷問禁止委員会の勧告のような不当な要求や重荷の押し付けが続くことになるのです。

 

「性奴隷」を広めた張本人を国会証人喚問せよ

 実は「性奴隷」(sex slaves)という、事実に反する表現がここまで広まったのは、日本人弁護士の国連での活動がきっかけです。

 1992年2月に弁護士の戸塚悦朗氏が国連人権委員会で初めて慰安婦問題を提起しました。このとき、戸塚氏は慰安婦を「性奴隷」と規定し、以降、国連の委員会や関係国際会議に積極的に参加して「日本軍の慰安婦=性奴隷」という説を浸透させていきました。

 また、同じ頃、日本弁護士連合会(日弁連)も並行した動きを進めていました。

 日弁連が1995年11月に発出した「従軍慰安婦問題への政府の対応に関する声明」(bit.ly/RUTSSb)によれば、「慰安婦問題が国連で提起された1992年2月以降、日弁連を含むNGOは、一貫して慰安婦問題に関し、『性的奴隷』(Sex Slaves またはSexual Slavery) として日本政府に対し国家による被害者への補償を要求し続けてきた」と。

 そして、「その結果、日弁連も参加した世界人権会議(1993年6月、ウィーン)においても、過去を含め、『全て』の場合、性的奴隷制問題について、特に効果的な対応をすべきことが決められたのである」としています。

 こうした彼らの努力は“結実”し、国連人権委員会は1996年2月、「戦時における軍事的性奴隷問題に関する朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国および日本への訪問調査に基づく報告書」、いわゆる「クマラスワミ報告書」を採択しました。

 国連公式文書に「日本軍の慰安婦=性奴隷」説が正式に取り上げられるに至ったのです。

 しかし、このクマラスワミ報告書の内容たるや、「驚くほどでたらめで、根拠薄弱な決めつけに満ちている」(*1)と、専門家によって切って捨てられています。

 上述の、「強制連行に従事した」という日本人の捏造証言を採用していたり、また事実関係でほぼ全面的に依拠した英文書籍が、ほとんど裏付けのないうわさ話を集めたものに過ぎないことが判っているからです。

 悪質な反日プロパガンダ文書であるクマラスワミ報告書が採択されるに当たり、日本政府が十分に反論し、阻止しようとしたのかは疑問視されており、この点、国会の国政調査権等で真相が明らかにされるべきでしょう(*2)。

 それと共に、「性奴隷」説を国際的に広めた張本人である戸塚氏や日弁連の関係者を国会で証人喚問すべきです

 どういう根拠に基づいて、慰安婦を「性奴隷」と規定したのか。もし軍人相手に売春する女性を全て「性奴隷」と位置づけるというのであれば、なぜ韓国人慰安婦の補償だけを取り上げ、日本人の慰安婦を問題にしないのか、あるいは終戦後、米兵相手に売春した日本人女性たちに対する謝罪と補償を米国政府に求めようとしないのか、など突っ込むべきところはいくつもあります。

 このように国会の場で、彼らの邪悪な意図、あるいは論拠が薄弱であることや考え方に偏りがあること等をはっきりさせなくてはなりません。

 さらに、国連が既に「日本軍の慰安婦=性奴隷」説で固まってしまっていますが、これを逆転させる努力も必要です。政府はしっかり反論して、クマラスワミ報告書等を撤回させるか、これを否定する新たな文書を作らせるかすべきです。

 万一、国連が我が国に対する不当な貶めをどうしてもやめないというのであれば、国連分担金の支払いストップも検討しなくてはならないでしょう。自国の名誉を傷つける活動を展開する機関に、なぜお金(しかも国民の税金!)を支払わなければならないのでしょうか?

 そして、米国で相次ぐ議会での非難決議や記念碑建立ですが、これも決議撤回や記念碑撤去を求めていかなくてはなりません。もし、彼らがどうしても残したいのであれば、終戦後、米兵相手の「性奴隷」とされた7万人の日本女性のための非難決議や記念碑建立も同様になされなければフェアでないと告げるべきです。

 日本の国民や国家を貶め、悪虐民族というレッテルを貼らんとする国際的な策動には断固として反対し、阻止するのが政府の仕事でなければなりませんし、マスコミも愛国心や顧客(国民)を大切に思う心があるなら可能な限りこれに協力すべきであると考えます。

 

※ 本記事は、最近の慰安婦問題に関するマスコミ報道のほかには、主に、西岡力著『増補新版 よくわかる慰安婦問題』(草思社)、秦郁彦論文(「いわゆる従軍慰安婦について歴史の真実から再考するサイト」bit.ly/dNP2dZに掲載)、秦郁彦 「橋下発言の核心は誤っていない」 – MSN産経ニュース(2013年5月23日 03:21)等を参照した。

*1 西岡力著『増補新版 よくわかる慰安婦問題』(草思社)p.165

*2 自民党の片山さつき参議院議員が昨年9月、「従軍慰安婦問題に係る国連特別報告書に関する質問主意書」を政府に提出し、答弁書を得ている(bit.ly/S6heUR参照)。しかし、正面から答える内容となっておらず、引き続き調査が必要である。

 

 

立木 秀学
(ついきしゅうがく)
東京大学 法学部 第3類(政治コース)卒業後、幸福の科学入局。財務局長、専務理事などを歴任し、幸福実現党に入党。2010年7月から2012年12月まで幸福実現党党首を務める。
現在、HS政経塾塾長。
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